概要
周南市指定文化財
四熊板碑一基
昭和五十九年三月二十六日指定
安山岩製のたて長の自然石の中央に地蔵菩薩像を薄肉彫りし、正面の左右両側に各一行づつ銘文がある。
法量は、総高一五三、〇㎝像高七三、五㎝で、銘文によリ製作は応安七年(一三七四)と思われ、この板碑の造立には善男善女八百十七人もの参画があったことがわかる。
彼らは板碑を造立し、礼拝供養することによって仏稼を得ようとしたのてある。
この板碑がつくられた南北朝期には、多くの造仏、造塔が行われるようになったが、その際主尊には庶民信仰の対象として人気のあった地蔵菩薩が多く選ばれている。
この遺品は石造美術の面からだけでなく南北朝期の庶民信仰を示す例証としても貴重である。
平成十六年十一月九日
周南市教育委員会